那須岳(栃木県那須郡)
2014年5月11日(日)
ルート:那須岳ロープウェイ山頂駅~▲茶臼岳~峠の茶屋跡避難小屋~▲朝日岳~北温泉分岐~▲三本槍岳~北温泉分岐~北温泉
今回は、北岳ツアーで知り合ってから定期的にご一緒している、
脂の乗った四十代男子2名と、筆者と相方の計4名での山行です。
前回は同じメンツで1月に蓼科山に登りました。
そして、前日の話。
実は今日、秘湯・三斗小屋温泉に宿を予約しておりまして、
那須岳の一である茶臼岳を踏んでからのんびりと三斗小屋温泉入りして、
日頃のつかれを癒そうではありませんか。
という計画を立てていたのです。
翌日は、残りの那須岳である朝日岳と三本槍岳に登り、
あ、那須岳というのは深田久弥氏曰く茶臼岳・朝日岳・三本槍岳の三山の総称で、
そのまま甲子山まで縦走して秘湯・甲子温泉にのんびりと浸かって、
日頃のつかれを癒そうではありませんか。
という計画をたてていたのです。
那須塩原駅に降り立ち、バスにゆられて一時間余。
那須ロープウェイ山麓駅に到着しました。
ところがどっこい。ロープウェイは強風のため運行していませんでした。
ロープウェイを使わなくても、登ることはできるのですが、
何せ風が想像以上に強いので、普通に危ないかもしれません。
仕方がないので、山麓駅内にあるスタンド蕎麦屋でけんちん汁をすすりながら、
どうしましょうかと話し合っているとその蕎麦屋のおばちゃんが、
今日は風が強いから峠越えは無理無理、とたしなめてきました。
蕎麦屋のおばちゃんの旦那さんは元山岳救助隊員だとのこと。
見ると、山岳救助連絡所のステッカーも貼ってあります。
うーん、これは単なる蕎麦屋のおばちゃんではなくて、
言うことを聞いておいたほうがいいかなと感じさせる要素満載。
ロープウェイ駅のベテランのおねぇさんに風の様子を聴いてみると、
風速25m以上吹いているとのこと。
ちなみに当日の那須岳ロープウェイの公式ブログを見てみると、
昨日は各地大気状態が不安定となっておりました。(>_<)
ロープウェイでも雷や突風、おまけに雪も降りました。w( ゚Д゚)w
因みに昨日の最低気温1℃現在は3℃風速 北西の25~32m/s吹いております。
やけに顔文字が使われている点が気になりますがそれは置いておいて、
稜線はさらに吹いていること必至、残念ですが今日は茶臼はあきらめましょう、
という話をしていると、件の蕎麦屋のおばちゃんが、
「うち、宿もやっているからよかったらどうぞ」
と、スッとパンフレットを差し出してきたのです。
これも縁、本日は「旅館 ニューおおたか」にお世話になることにしました。
旅館名から「ホテル ニュー越谷」を思い起こしてしまいました。
ということで、近場を散策することにしましたよ。
山麓でもこの風具合。
こちらは駒止の滝。
そして秘湯・北温泉。外の温泉プールが開放的です。
映画テルマエ・ロマエのロケ地だったようで、言われてみれば確かに。
残念ながら今日は立ち寄り湯には入りませんでした。
実はここ北温泉、22年ほど前に泊まったことのある思い出の場所です。
いろいろと当時のことを走馬灯のように思い出しました。
ほか、平成の森など合計4時間ほど彷徨ってから宿へ。
ぬるい露天風呂に珍しく長々と浸かって、宴会です。
たまにこんな日があるのも、いいですね。
そして翌日。
ありがたいことに風もおさまり、こうしてロープウェイで山頂駅へ向かっています。
今日は当初の予定を変更し、那須岳(茶臼岳・朝日岳・三本槍岳)に登ってから、
中の大倉尾根を下り、北温泉に立ち寄ろうと心の中で盛り上がります。
那須ロープウェイ山頂駅到着! 標高1684mです。
抜けるような青空。昨日を取り返すかのような素晴らしい天気です。
登山者もたくさんいます。
われわれもまいりますよ!
登山道はたいへんよく整備されています。
火山性の山は、岩肌が素敵ですね。
道標はかなりこまめに設置されていて、番号がつけられています。
ロープウェイ駅でこの番号つきのマップが配られているので、
まず迷うことはないでしょう。
いやぁ、ほんとに天気に恵まれてよかったっすね!
などと他愛もない話をしながら登っていきます。
茶臼岳山頂、那須岳神社の鳥居をくぐります。
那須岳1/3 茶臼岳山頂で 敬礼っ!
那須岳神社にご挨拶。
そして今日は全方位丸見え!
山頂をひとしきり楽しんだので、次の那須岳、朝日岳に向かいます。
お鉢周りとありますが、火口の周りではないようです。
お、行く手に小さく避難小屋が見えました。
2000m未満の山とは思えない、高山のような景色です。
落雷注意。
こんな稜線で雷が轟っていたら、生きた心地がしないでしょう。
まるで大パーティの様相。さすがは人気の山です。
避難小屋が近づいてきました。
黄褐色の岩、青い空、に赤い屋根の取り合わせがいいですね。
峠の茶屋 避難小屋到着!
せっかくなので、小屋のなかを覗いてみましょう。
かなりちゃんとしています。これなら安心して避難できることでしょう。
ちなみに(計画的な)宿泊は禁止されています。
避難小屋を出てすぐ、雪渓のトラバースです。距離は短いです。
踏み跡がしっかりあるものの、ちょっとこわい。
さらに長い斜面があらわれました。
ここは面倒がらず、軽アイゼンを装着します。
足を滑らせて落ちちゃったら大変ですから。
軽アイゼンも随分とボロくなったので、買い換えるときは着脱の楽なタイプにしよう。
先日、カモシカスポーツで見かけたやつ。
恵比寿大黒とはまた、ずいぶんと縁起のいい地点です。
空の青、雪の白、植物の緑、岩の黄。写真で伝えるのが難しいこの感覚。
振り返って茶臼岳を眺めます。いいカタチしてますね。
ちょっとした岩場には鎖完備。整備に力を入れているのが分かります。
うひょーっ! 眺め最高!
ここは朝日の肩。朝日岳の山頂が見えています。
ザックをデポして、身軽になって朝日岳を往復します。
な、なんて身体が軽いんだ!
那須岳2/3 朝日岳山頂で 敬礼っ!
茶臼岳カッコイイ! カタチに惚れた!
小さなちいさな鳥居です。帽子をとって、ごあいさつ。
朝日の肩まで戻ってきました。
ごく一部ではありますが、雪が残っています。
熊見曽根到着。
昨日、風が吹いていなければ、ここから三斗小屋温泉に向かう予定でした。
朝日岳と茶臼岳の2ショット。対照的なカタチをしています。
ところどころに残る雪が、ゴルフのバンカーの様相を呈しています。
一旦、下りに入りますよ。
途中から木道が出てきます。木道といえば尾瀬を想起しますね。
ずっと木道だと飽きちゃいますが、たまの木道はアクセントとして嬉しいですね。
大! 足の開きが足りません。
清水平で昼食を。
のんびりとパンをかじりながら、前を通りすぎる人たちの足元も見ると、
みんなドッロドロになっています。
おそらく三本槍岳から戻ってきた人たちでしょう。
雪が溶けて足元の土がグジョグジョになっているのではないか、
そんな不安が頭をよぎります。
不安的中!
グジョグジョというよりむしろ、グニョグニョです。
北温泉分岐。
帰りはここから、北温泉へ向かいます。
三本槍岳までこのグニョグニョが続くのです。
ちょっともう勘弁してくださいよぉ。
と心の中で吐息を漏らします。
山頂近くになって、ようやくグチョグニョから開放されました。
三本槍岳山頂です。けっこう人がいますよ。
そういえばこの三本槍岳、まるくてなだらかで、ぜんぜん槍っぽくないですね。
旭岳(赤崩山)のほうが、よほど槍っぽいです。
那須岳3/3 三本槍岳山頂で 敬礼っ!
そういえば去年丸々一年間、新たな百名山がひとつも増えなかったので、
実に久しぶりに、登った百名山が増えました。
百名山ハンターではないので百名山を意識して登りにいくことは、
あまりありませんが、そういえば久しぶりだったというお話。
三本槍岳からの景色もまた素晴らしい。
そういえば山頂にいた犬が、足もおなかもドロドロになっていました。
犬的には、ドロは楽しいでしょうね。嬉しそうな顔をしていました。
那須岳コンプリートしたので、下ります。
また泥道を歩くわけですが、もう慣れました。
北温泉分岐に戻ってきました。
ここから中の大倉尾根を下って、北温泉に向かいます。
この尾根道はまた、茶臼岳からの稜線とガラリと雰囲気が変わって、
のどかさが漂います。
いままで歩いてきた道を振り返って写真を撮ります。
人間って、結構歩けちゃうもんですよねぇ。と毎回同じ話を蒸し返します。
道標が倒れています。
赤面山を経由して、新甲子温泉まで下れるようです。
われわれ一行は北温泉を目指します。
今日はのどかな天気でホントによかった。むしろ汗ばむほどの陽気です。
やや、雪渓があらわれましたぞ。
今日は一度軽アイゼンをつけているので、ここでもまた装着をします。
やっほーぃ!
あら、せっかく軽アイゼンを着けたのに、あっと言う間に雪が切れました。
モタモタと軽アイゼンを外します。
ところどころ雪も残りますが、傾斜が緩いのでアイゼン無しで問題ありません。
雪原に白樺の木は、映えますね。
雪解け水が登山道に流れ出しています。
「盗採防止パトロール実施中」です。
何を採っていく輩がいるのか気になります。
今年は雪が多かったのですね。こんな下のほうにもまだ雪が残っていました。
北湯まで1.5Km。だいぶ近づきました。
道標にあるスキー場というのはマウントジーンズ那須のことです。
今度、行ってみようかしら。
だいぶ下りてきました。このあたり一帯は笹が多いですね。
北温泉まで0.5Km。温泉が近づいてきましたよ!
実は昨日散策をしたときに、北温泉からここの直前まで、歩いてきていました。
昨日歩いた記憶のある道を下って行きます。
わーい! 温泉!温泉!
なんともいえない、歴史が滲み出ている素敵な佇まいですね。
「ごめんくださーい」
今日は日曜日の遅めの時間ということもあって、温泉プールに人はいません。
そこで、
ひゃっほーい!
全裸ではしゃぐ大人と全裸で泳ぐ大人とそれを全裸で撮影する大人。
テルマエ・ロマエ写真展として、ロケ中の写真が飾られていました。
のんびりと温泉につかり、湯上がりにビールをゴクゴク飲んで、
最高に充実した一日になりました。
おつかれさまでした!
■参考タイム(※食事・山頂休憩のぞく)
【トータル】6時間30分
那須岳ロープウェイ山頂駅 →(36分)→ ▲茶臼岳 →(31分)→ 峠の茶屋跡避難小屋 →(53分)→ ▲朝日岳 →(1時間20分)→ 北温泉分岐 →(33分)→ ▲三本槍岳 →(27分)→ 北温泉分岐 →(2時間10分)→ 北温泉