霊仙山
2018年11月10日(土)
ルート:榑ヶ畑登山口→汗フキ峠→経塚山→▲霊仙山→(最高点)⇔ピストン
伊吹山に登ろうかと思って関ヶ原まで遠征。
近くに宿を取ってあって、伊吹山は明日登頂予定。
で、今日もどこかの山に登ろうかと地図を開いて
適当に選んだのがこの霊仙山。
ネットに情報が溢れるご時世ですが、敢えてネットからの情報を入れずに、
地図を見て山の名前とかインスピレーションで、登る山を選ぶのも面白いですよ。
「霊仙」といえばご存知(無い人のほうが多いかもしれない)、
日本で唯一の三蔵法師の名前です。
三蔵法師といえば西遊記で有名ですが、
あのひとは「玄奘三蔵」でして、ほかにも三蔵法師はいるわけです。
三蔵(法師)とは、仏教における三蔵(経蔵・律蔵・論蔵)に精通し、
優れた功績を収めた僧に送られる称号で、
霊仙は日本人僧としては唯一人、「三蔵」の称号を得ています。
同期には天台宗の開祖「最澄」や真言宗の開祖「空海」など、
綺羅星の如し有名な僧がおりますが、
それに比べるとずいぶんと知名度が低いですよね霊仙。
その霊仙に縁のある山なんでしょうなぁきっと、
などと妄想しながら榑ヶ畑の登山口へと向かいます。
登山口まで登る間に、路肩に多数の車が駐車されていました。
我々も駐車場には停められず、おこぼれの路肩に混ざります。
あとで調べてわかったのですが、
この霊仙山は花の百名山にも選出されていて、
地元では人気の山だったのですね。
さて、早速まいりましょう。
出足は、昔植林されていたものがそのまま残されたような、森です。
少しすすむと、
「山小屋かなや」がありました。
かつて営業していた山小屋でしょうか。
手動式飲料販売所の看板が。
どうやら、今でも夏季限定で営業しているようです。
(写真はスーパーカブ漫遊記さんのブログより)
地元では割と有名なスポットらしいですね。
そんな山小屋かなやを抜け、植林地帯が切れた先には、
広がる雑木林が見えてきました。
汗フキ峠に到着。
カエデや紅葉(もみじ)など散見され、
もしかすると紅葉(こうよう)が期待できるかも、
というような面持ちです。
お、これはキレイ。
適当に選んできた山ですので、ラッキー感でいっぱいです。
というか、なんということでしょう。想像以上に美しいんですが。
ウヒョーっ、緑や黄色やオレンジや赤、木肌の白や空の青など、
様々な色彩の奏でる、まるで美しいシンフォニーのようです。
(いい意味で)やっちゃったかも、というレベル。まさにビンゴです。
陽の光に色とりどりの葉が透けて見える様(さま)も、実に美しいです。
ウヒョウヒョしていて、全然、先に進みませんよ(笑
前をすすむ一眼女子も、撮影に明け暮れています。
紅葉が高い位置にあるのが印象的。
地元八ヶ岳とはまた違った雰囲気で、楽しいですね。
標高を上げるにつれ、だんだんと落葉が増えてきました。
五合目の見晴台に到着です。
眼下に広がる琵琶湖がまるで、海のようですね。
北八ヶ岳で見慣れているしっとりとした苔ではなく、
わりとドライな感じの苔が所々に生しています。
そしてまた、ここから表情をガラリと変える霊仙山。
カレンフェルトと呼ばれる地形のようで、独特の雰囲気が面白いですね。
七合目に到着。
お猿岩とありますが、どれがそれなのか分かりません。
ここからの景色もまた独特です。
地元にはない風景と波動が、新鮮でとても楽しいです。
表情豊かな変化に富んだ山容、そして気持ちのいい青空。
下調べをせず適当に選んできた山なので、
スーパーの福引きで一等を引き当てたくらいの嬉しさがあります(笑
八合目に「お虎ヶ池」があり、鳥居が設置されていました。
しめ縄も立派です。
脇から見た様子。
奈良時代、山頂に「霊仙寺」が建立され、そこで研いだ米の水が溜まって、
この「お虎ヶ池」になったという伝説が残されているようです。
そんなお虎ヶ池を先に進んだところにあった沼地。
どちらかというとこちらのほうが、お米の研ぎ汁が溜まったような、
乳緑色をしています。
それにしても今日は風が強いです。
ただ、この植生を見ると、日頃から風が強いのでしょうね。
まずは山頂を目指しましょう。
尾根の分岐点に到着。
右へ行くと山頂、最高点は左のようです。
先に山頂に登って、後から最高点に行ってみましょう。
山頂が見えてきました。先行する登山者が何人かいます。
霊仙山山頂に到着。
霊仙山山頂にて、敬礼っ!
風強っ! 身体が持ってかれそうになるくらいの強風です。
あまりにも風が強いので、そそくさと退散します。
最高点に向かう途中の谷場。
ここはスイートスポットなのか、ほとんど風がありません。
霊仙山最高点、標高1,098mに到着です。
ウチの自宅より標高が低い(笑
逆に、ウチ標高高っ! と思ってしまいました。
東京で買ったポテチとか、持って帰ってくると袋パンパンになりますもんね。
さて、最高点も踏んで下りに入ります。
そろそろカップ麺タイムといきたいのですが、
風が強くてなかなかコンロを使えそうな場所がありません。
岩陰のビバークポイントを探して、ようやくラーメンタイム。
最近お気に入り、といっても二度目ですがQTTAのトマトクリームです。
脇を通り抜けて行く登山者が「オーうまそー」と声を漏らしていました。
そう、山で他人が食べてるラーメンって、妙にうまそうに見えるんですよね。
さてさて、すっかり霊仙山を満喫しました。
先行する外国人女性はTシャツに超ショートの短パン。
やはり、日本人とは肌の構造というか身体の作りが違うのですね。
帰りにヒッチハイクされましたが、
2シーター仕様だったので乗せてあげられませんでした。
名残惜しい美しい紅葉の森を抜けていきます。
いやー、今日は霊仙山をチョイスして大正解でした。
霊仙さん、ありがとうございます。
植林地帯を抜け、山小屋かなやを抜け、
登山口駐車場に到着です。
いやいや、紅葉も素晴らしくとても楽しいいい山行でした。
地元にこの山があったら、季節を変えて年4回くらいは登りに来ていますね。
おつかれさまでした!