武川岳~二子山(埼玉県・奥武蔵)
2014年6月15日(日)
ルート:武甲山一の鳥居~妻坂峠~▲武川岳~▲焼山~▲二子山(雄岳)~▲二子山(雌岳)~(沢道経由)芦ヶ久保駅
久々に、奥武蔵は武甲山一の鳥居から武川岳を経由、
二子山から芦ヶ久保駅へ抜けるルートを歩きました。
山を歩き始めた当時、池袋が地元だったこともあり、
西武池袋線をフル活用できる奥武蔵エリアを毎週のように歩きました。
都合60回くらいは歩いていると思います。
ちなみに奥武蔵エリアというのは大まかですが、
西武秩父線でいうと飯能から西武秩父の間にある山です。
これだけの回数足を運んでいるので、
電車で無理なくアクセスできる奥武蔵のルートはだいたい歩いているのですが、
そんな中でも、一番のお気に入りのルートが今回のルートです。
レッドアロー号に乗って、西武秩父へやってまいりましたよ。
しかし、今回のルートがなぜ奥武蔵の中でも一番のお気に入りなのか。
簡単に理由を挙げると、
1.変化に富んで雑木が多い
奥武蔵エリアは、かなり植林比率が高いのです。
やはり植林よりも雑木林のほうが楽しいと思う人が多数派でしょう。
となると雑木の多い(植林の少ない)ルートは、奥武蔵では貴重です。
春夏は新緑、秋は紅葉、葉が落ちた冬場は武甲山を
左手に眺め続けながら歩ける稜線が楽しい、
変化に富んだ山歩きが楽しめるルートです。
2.レッドアロー号に乗ってプチ旅気分を味わえる
レッドアロー号は、飯能のあとは横瀬まで止まらないので、
実はこれを活用できるケースがそれほど多くないのです。再掲で恐縮です。
池袋から飯能まで乗るという手もありますが、この間わずか39分。
たまたま時間が合えば乗りますが、わざわざ待って乗るほどではありません。
つまり西武秩父までレッドアロー号に乗ってプチ旅行気分を味わえるのは、
奥武蔵エリアを歩こうと思うと、貴重なケースなのです。
しかしこのルート、若干交通費がかさむので、
交通費のかさまないことが利点の一つである奥武蔵エリアにおいて、
ある意味プチ贅沢なコースかもしれません。
というのも登山口まで、西武秩父駅からタクシーを利用するのです。
行き先は「武甲山の一の鳥居までお願いします」で、すぐに伝わります。
ひと駅手前の横瀬のほうが登山口まで近いのですが、
横瀬は駅前でタクシーを拾うことができないので、
西武秩父まで行ってしまったほうが話が早いです。
そしてタクシー代はおよそ2,800円。
微妙に割高感を感じてしまいますね。
こちらがタクシーでやってきた登山口。
実は、一の鳥居よりもさらに先に進んだところが登山口なので、
タクシーついでに、
「すみません、妻坂峠に上がりたいのでもうちょい先行ってもらえます?」
と運転手さんにお願いをすると、ここまで連れてきてくれます。
そんな登山口にあった看板。なんと、熊さんに向けての看板でした。
歩き始め。奥武蔵名物(?)の植林です。
このあたりの沢は、さらさらと流れているイメージを持っていたのですが、
今日はやけに水量が豊富です。
美しい緑のトンネルが、私たちを迎えてくれています。
そしてここで一旦車道を横切ります。
時間を少しでも短縮したい人は、ここまでタクシーでこれますよ。
「すみません、妻坂峠に上がりたいのでドン突きまで行ってもらえます?」
と運転手さんにお願いをすると、ここまで連れてきてくれます。
新緑の季節、緑が気持ちいですね。これで涼しければ御の字です。
沢を渡ります。ここも枯れているのが常だったので、やっぱり水が多いですね。
緑キレイ!
緑をおかずに、ご飯何杯でも食えますね。ただ、普段はあんまりご飯食べないんです。
崩落箇所にかけられた橋。ここは2年半前と変わっていません。
行く手の先に、稜線が見えてきましたよ。
妻坂峠到着!
そういえば散々奥武蔵に来ていながら、大持山、子持山のコースは未踏でした。
一の鳥居に車を停めておけば、武甲山経由で周回できるのですが、
奥武蔵には車で来たことないんですよ。電車のほうが早いし楽だし。
でもせっかくなので、こんど車で来てみようと思います。
そんな妻坂峠を、武川岳方面に向かいます。
お地蔵さんの横をぬけていきます。穏やかなお顔をされています。
いい雑木林ですね。山梨ともまた雰囲気が違います。
これより先 岩場数カ所 あり要注意
スペースの位置が微妙におかしいですが、パッと見はこのほうが頭に入ります。
でも、たいした岩場ではありません。
えもいわれぬ 美しい緑と空色のコラボレーション。
熊のうんこ。
楽しい稜線をルンルン歩き。
そういえば、アオバズクが鳴いていたのですが、
姿は見えないものの、ホントすぐそこで鳴いていました。
人生でもっとも野生のアオバズクに近づいたかもしれません。
武川岳山頂到着! 敬礼っ!
ちなみにこの山、お向かいの武甲山(ぶこうさん)につられて
「ぶかわだけ」と読んでいる人がいますが、「たけがわだけ」です。
ここから、二子山へ向かいます。
それほどにぎわうルートではないのですが、今日は意外にも人とすれ違います。
そしてなんと、筆者の中学高校時代の先生とバッタリ。ほぼ四半世紀ぶりですよ。
後ろの4人は後輩ちゃんということに。こんなこともあるんですね。
気持ちのよい緑の稜線歩き。
あらっ。ここから林道に下りろとの指示が。
そして行く手を阻むロープ。「崩落のため通行止め」とか書いてあることが多いですが、
ここには説明がありません。通行止めの理由が知りたいところです。
モヤモヤしたまま、林道を歩きます。
えっ!
おもいっきり山が削られて、新たな林道が整備されていますよ!
一般車両も通れるのかしら?
林道脇のガードレールには木製のカバー。なかなかオツです。
ふたたび、通常の登山道へと戻りました。
それにしても植林って、ずいぶんと まっすぐですよね。
焼山到着!
武甲山の雄姿がよく見えます。当時よりもさらに削られている印象です。
ちょっと早めですが、武甲山を眺めながらランチにすることにしました。
山頂には滞在客は誰もおらず。特等席でのんびりランチ。
焼山から二子山へのルートは、一旦一気に下ります。
雨上がりなんかで滑る状況だったら、ちょっといやな道です。
陽射しが遮られていると、まだそれほど暑くはない気候。
本格的な夏になると、低山は本当に暑くて、歩く気がしなくなります。
ちょっとした岩場もあります。
二子山までは、今度は一気に登りになりますよ。
二子山山頂エリアには、ぼちぼち人がいます。
二子山雄岳で敬礼。
二子山山頂からの武甲山。
二子山は雄岳と雌岳の2つのピークからなりますが、
このピーク間がとてもせまく、
傍から見るとまるでクレヨンしんちゃんのお尻のように見えます。
このため地元の子どもたちの間では、「ケツ山」として親しまれています。
当然のことながら、一気に下って一気に登ることになります。
以前はこの岩場が正規ルートでしたが、現在は巻き道がきれいに整備されています。
でもせっかくなので、岩場から登ります。
二子山雌岳で静かに敬礼。
二子山雌岳から芦ヶ久保駅までのルートは二手に分かれています。
浅間神社を経由するルートと、沢沿いのルートです。
沢沿いのほうが、沢が流れているので楽しいと思いますし、
おまけに距離も短いので、沢沿いのルートを使うことにしました。
こちらのルートは山頂からしばらく急な坂が続くため、
ロープがはられています。
雨後などはロープがないと、おそらく下るのに難儀するでしょう。
以前の雨上がり、おばさんのパーティが、
ワーワーキャーキャー大騒ぎしながら、何人か見事にスッ転んでいました。
そして振り返ると、美しい緑が太陽に照らされてキラキラしています。
マツ科の植物が生えるエリアもあります。
この二子山は奥武蔵エリアでは雑木が多い山なので、お気に入り。
当時よく歩きにきました。積雪期も含め、10回以上は登っています。
倒木の上に新芽が生えて、緑のトンネルを作っています。
せっかくなので、お水を汲んで帰りましょう。
味は、可もなく不可もなし、山水としてはわりと普通です。
たまたまなのか、それとも恒久的なものなのか、
当時よりも明らかに水が豊富になっています。
登山道にも水があふれ、軽く沢になっているほどの状態です。
そしてこちらは水場。
これだけ水量が豊富だと、水場でなくてもどこでも取水可能です。
登山道と並行して走る沢が水が白く濁るほどの状況は初めてなので、
ちょっぴり新鮮です。
最後に来た時は、山全体が乾燥してガレガレで、お肌の曲がり角のようでした。
今回はお肌もしっとりと潤っていて調子がよさそうで、
なんというか、山の表情がよくなったイメージです。
そしてこちらはご神木。
ご神木の裏側に、ひっそりと祠が祀られています。
いまにも転げ出しそうな巨石。
道がなだらかになって、登山口が近づいてきました。
ここはもう、西武秩父線の線路脇です。
線路の下のトンネルをくぐりますよ。見た目どおり、涼しいトンネルです。
芦ヶ久保近辺の道標には、カワセミがのっているんです。
登山口到着! おつかれさまでした!
電車の時間までまだあるので、道の駅「果樹公園あしがくぼ」へ立ち寄りましょう。
実はここ、昔は「あしがくぼスケートリンク」だったんです。
小学生のときに、何度か滑りにいった思い出があります。懐かしいですね。
■参考タイム(※食事休憩のぞく)
【トータル】4時間15分
武甲山一の鳥居 →(42分)→ 妻坂峠 →(35分)→ ▲武川岳 →(57分)→ ▲焼山 →(38分)→ ▲二子山(雄岳) →(7分)→ ▲二子山(雌岳) →(1時間16分)→ (沢道経由)芦ヶ久保駅