八ヶ岳南麓在住。里山好きのおじさんのブログでありんす。

【登山メモ】岩手山

4年ほど前、八幡平から見た岩手山の美姿が忘れられずいつか登ってみたいと思っていたのですが、ようやくその機会に恵まれましたよ。

岩手山(岩手県八幡平市)
2014年5月18日(日)
ルート:馬返し駐車場~(新道からロストして旧道)~八合目避難小屋~不動平~お鉢の途中まで ⇔ 折り返し(微妙にピストンではない)

岩手山。4年ほど前、まだ山を歩き始めてそれほど経っていないころ、
八幡平から見た岩手山の美姿が忘れられずいつか登ってみたい、と思っていました

そんな日が、ようやく訪れたので嬉しく思います。
単独峰の活火山として、浅間山御嶽山などと同じ香りがします。いい香りです。

岩手山

馬返しの駐車場にやってまいりました。
混んでいるかとおもいきや、それほどでもありません。

8時もまわっているので最遅組かと思いますが、駐車しているのは10台程度。
昨日登った姫神山のほうが、車多かったです。

岩手山

今日は宿でスパッツまで装着してきているので、
車から下りて軽く準備運動をして、すぐに出発しました。

岩手山

キャンプ場のトイレです。「さわやかトイレ」と名付けられています。

岩手山

ご自分の体力にあわせて、薪の荷上げにご協力をお願いいたします。

岩手山

駐車場から5分ほどで、登山口です。

岩手山

”クマには注意してください” とありますが、

実はさっき、いきなりクマに遭遇しました!

えっ! と思ってビビッてよく見ると首輪がつけられ、
人が連れて散歩をしていたのです。

クマってペットにしたうえに、散歩させさられるものなのですね。
岩手の底力を感じました。

岩手山

実は岩手山のこの右側のエリアは、陸自の演習場となっています。
むやみに足を踏み入れてはいけません。

岩手山

ちょっとした案内板が、岩手山を象っているのがカワイらしいです。

岩手山

ここは改め所。

昔、神官がいて登山の可否を改めた所です。
もし現代にこのシステムが生きていたとしたら、筆者は否の烙印を押されていたでしょう。

あぶないところでした。

岩手山

今日は行動時間が長くなりそうなので、ストックを使います。
普段は、滅多にストックは使いません。小さい山が多いですし。

平素長距離を歩く人は、ダブルストック派の人が多いようです。

岩手山

振り返ります。下のほうに、黄色く色づいた菜の花畑が見えます。

岩手山

えっ!

登山口から30分くらい歩いたのに、まだ0.5合目ですか!

単純計算すると、一合あたり一時間、山頂まで10時間かかることになります。
そんなバナナ!

岩手山

はたから見た目のとおり、やっぱりデカいなぁ、岩手山という山は。

岩手山

お、一合目到着です!

0.5合目から12分ほどなので、どうやら単純計算ではなさそうです。

岩手山

残念ながら、山頂は雲の中。けっこう荒れているかもしれません。

岩手山

このあたりからもう、火山然としています。
この雰囲気、楽しいですね。

岩手山

ようやく二合目! 先は長そうですぞ。

岩手山

二合目にして、木々の葉が落ちています。
春はこれからといった風情、さすがは東北ですね。

岩手山

二.五合目です! ここで、新道と旧道に分かれます。
旧道は荒れ気味との前情報があったので、新道のほうへすすみます。

岩手山

ところどころ、雪渓が残っています。ここは短いのでアイゼンなしで抜けていきます。

岩手山

筆者のテーマフラワー、コバイケイソウが葉を蓄えています。
花が咲くのはまだ先ですが、嬉しいですね。

岩手山

新道三合目到着!
ここから先、雪渓が続いているので、アイゼンを装着することにしました。

岩手山

途中で出会った地元のおっちゃんに話をきくと、
この雪渓をずーっと登っていけば、七合目まで登れるとのこと。

なるほど、直登りにはなるけれど、そっちのほうが早いっすよね、
などと話ながら、この雪渓をひたすら登っていくことにしました。

岩手山

とはいっても、なかなの急斜面
写真で見るよりもずっと急斜面です。たぶん最大斜度40度くらい。

岩手山

振り返ると、密度の濃い雲が中空を漂っています。

岩手山

先行者のトレースがあるのは、心強いですね。

岩手山

それにしても雪が緩んできていて、
斜度的にまっすぐ登るのはいささか骨が折れる状況。

仕方がないので斜めにルートとりながら、ジグザグと登ります。

岩手山

ずいぶんと登ってきました。
それにしても七合目まで雪渓って、超長距離じゃないですか。

岩手山

えっ!

雪渓が途切れて行き止まりです!
くそう、あのおやじハメやがったな!

いくつかの雪渓が並行して走っているのですが、
我々がすすんだ雪渓は、七合目まで続く、それではなかったのです。

岩手山

残念ですが、せっかく苦労して登った道を、戻ります。
こういう時、速く下りるのは、ちょっぴり悔しいですね。

岩手山

ようやく、正道に戻りました。
といっても、新道からスタートしたのに、旧道へランデブーしました。

岩手山

ということで、旧道から登ることになりましたよ。

そして一度は超えていたはずの四合目!
思わぬロスをしてしまいました。

岩手山

おまけにこのあたりから、すでにガスってきましたよ。

岩手山

五合目到着!
石標が倒れて割れてしまっています。

岩手山

またもや雪渓登り。
せっかくはずしたアイゼンでしたが、また装着します。

岩手山

そして右側を見ると大雪渓。

なるほど、おそらくこれが、おっちゃんの言っていた雪渓でしょう。
しかし、いまさらなので、おとなしく登山道を登ります。

岩手山

火山らしい色合いの道が続きます。

岩手山

ところどころ、雪が現れます。本格的な雪道の序章のようです。

岩手山

気温が高めなので冬の感じはしませんが、景色はまるで冬山のようです。

岩手山

ようやく、七合目到着! 新道と旧道が合流します。

岩手山

ここまでくれば、八合目はもうすぐでしょう!

岩手山

八合目避難小屋到着! 結構長かったなぁ。

岩手山

避難小屋前の温度計。3度です。見た目の景色よりも、気温は高めです。

岩手山

夏季は宿泊客で賑わうようですが、いまは休憩して暖をとる人が数名のみ。

岩手山

さて、ここからが本丸といってもいいかもしれません。

しかし、ホワイトアウト直前で、先に進めるか不安になります。

岩手山

なんとかトレースを辿りますが、気を抜くとロストしてしまいそう。

岩手山

ようやく、道らしい道を見つけて、歩を進めます。

岩手山

風がビョービョーと吹きつけます。

岩手山

不動平到着!

不動平避難小屋が、近くにあるらしいのですが、まったく見えません。

結局、行きも帰りも、不動平避難小屋は確認できませんでした。

岩手山

視界も悪いし風も強い。いよいよ状況が悪化してきましたよ。

岩手山

このあたりで、指の感覚が消え失せ始める気配がしてきました。

視界もいっこうにひらけません。

岩手山

そして、お鉢めぐりのお鉢に到達!

一瞬、鉢底がチラリと見えました!

岩手山

ここから、お鉢をめぐって薬師岳を目指します。

岩手山

目指そうとするのですが、風がハンパないっす!

しかも運悪く超向かい風で、風に向かうと息ができないんです、息が!

まさか、登山で無酸素運動を強要されるとは思いませんでした。
風に背を向けて、呼吸を確保します。

岩手山

山頂近辺の風の強さを物語る図。

岩手山

腕とかも、風で持ってかれちゃいますよ!

うーん。これは無理をしてお鉢めぐりをするべき状況ではありませんね。

山頂に近いですが、安全を優先して、今日はここで引き返すとしましょう。

そしてもうひとつの事情として、いま握りしめている新幹線のチケット、

新幹線のチケット

乗り遅れの際は乗車券・料金券とも無効。

つまり、乗り遅れたらすべてを失ってしまうという、
世にも恐ろしいチケットなのです。

遅かった出発とロストも相まって、このままお鉢めぐりを強行すると、
帰りの新幹線に間に合わないかもしれません。

そんな事情も相まって、おとなしく引き返すことにしました。

岩手山

岩手山のお鉢で 敬礼っ!

岩手山

引き返す最中も、風が唸り声を上げていました。

ますます、風が上がってきています。早めに引き返して正解でした。

岩手山

八合目避難小屋が見えてきたころ、

岩手山

ほんの一瞬一部分、青空が顔を出しました。

無理をせずに引き返したわれわれを、祝福してくれたのでしょう。
と解釈することにしました。

岩手山

八合目避難小屋。 帰りは横目にスルーします。

それにしても不動平避難小屋はその存在すら確認できませんでしたよ。

岩手山

そして七合目。

ここから先、登りで見た大雪渓を、せっかくなので下ってみることにしました。

岩手山

いひょーっ!
まるでスキー場のような雪渓です。先行者のトレースもあります。

岩手山

登山靴でも滑り落ちていってしまうほどの斜度。

スキー場でしたら、完全に上級者コースです。

岩手山

やっほーっ!

雨具を履いていたら、おしりで一気に滑り下りたくなる斜面。
ここで雨具を出してはくのも面倒なので、何度もコケながら足で滑り降ります。

この先、まだまだ雪渓は続いていましたが、あまり深入りするとまたロストしてしまうかも。

ここらで右にすすんで、旧道にランデブーすることにしました。

岩手山

しかしながら、思ったよりも木々が密集していて、なかなか一筋縄ではいきません。

岩手山

木々をかき分けかき分け、かき分けて、

岩手山

ようやく本来の登山道へと合流しました!

かき分ける喜びを、味わいましたよ。

岩手山

五合目到着!

岩手山

山頂の天気がうそのような、晴れ具合です。

岩手山

はっきりとした濃厚な雲は、まるで小岩井農場のソフトクリームのようです。

岩手山

四合目到着です!

岩手山

それにしても、道はおおぶりにガレていて、歩きやすくはありません。

岩手山

行きには見かけなかったベンチ。まるで、一昔前のバス停のようなベンチです。

岩手山

きました三合目!

岩手山

ここなんか、マグマが冷え固まってできた雰囲気がありますね。

岩手山

振り返って二.五合目です!
新道と旧道が交わります。

登りはここを右に行ったことを思い出します。

岩手山

そして、豆腐岩!
笑っているようにも見えますね。

岩手山

ここまで下りてくると、山頂付近の冬景色がまるで、
だったのではないかと錯覚してしまいます。

岩手山

一合目到着!

登りのとき、おじいちゃんと、中学生くらいの女の子の孫のペアが、
楽しげに語り合っていました。

おじいちゃんの幸せそうな笑顔が素敵でしたよ。

岩手山

このあたりまで下りてきてようやく、木々に葉がつきはじめました。

岩手山

お疲れさまでした。またのお越しをお待ちしております。

岩手山

さわやかトイレ到着!
こちらの鬼又清水では、靴を洗えるようにブラシがおいてあります。

残念ながら(それほど残念とは思っていませんが)薬師岳の山頂までは到達しませんでしたが、
存分に楽しめた岩手山でした!

■参考タイム(※雑ですんません)
【登り】4時間39分
馬返し駐車場(新道からロストして旧道) →(3時間46分)→ 八合目避難小屋(休憩10分) →(43分)→ お鉢の途中まで
【下り】2時間36分
お鉢の途中 →(26分)→ 八合目避難小屋 →(2時間10分)→ 馬返し駐車場
【トータル】7時間15分