甲武信ヶ岳(甲州・武州・信州 2475m)
2013年9月14日(土)~15(日)
ルート:
一日目:大弛峠~▲北奥千丈岳~▲国師ヶ岳~▲甲武信ヶ岳~甲武信小屋(泊)
二日目:甲武信小屋~▲甲武信ヶ岳~▲国師ヶ岳~大弛峠
久々に一泊二日で登山に行こう、テントを担いで登山に行こう!
という話で盛り上がっていたところに水を差した台風18号。
テン場で雨に襲われ、グジョグジョに重くなったテントを背負い、
と考えただけでも、ライトトレッカーの筆者としては尻込みするところ。
当初は南御室小屋にテントを張り、
鳳凰三山のうち二山くらい登る予定だったのですが、急遽予定を変更。
一度歩いてみたいと思っていた、大弛峠から甲武信ヶ岳の縦走を
決行することに決定いたしました。
翌日は昼から雨の予報だったので、テントではなく小屋泊です。
大弛峠といえば、
百名山でもある人気の金峰山に気軽にアクセスでき、
また国師ヶ岳や北奥千丈岳など2500m峰に口笛を吹きながら登れるなど、
人気の峠スポットで、いつも混雑しています。
久々の大弛峠駐車場。以前は駐車スペースではなかったトイレ脇まで、
駐車場のエリアが広げられています。が、もちろん満車。
折り返して路肩に駐車します。いわゆるロカチュウ。
多くの人々は、駐車場の最奥まで行って停められず、
そのまま川上村側の路肩に駐車をするので、山梨県側の路肩はまだそれほど
混雑の様相を呈してはいませんでした。
まずは北奥千丈岳を目指してスタートです。
こちらは金峰山と逆方向で、おそらく8割方は金峰山方面を目指します。
大弛小屋の横を抜けていきます。「甲武信が岳 6H」とありますね。
うひょ! さっそくキノコのあたたかいお出迎えです。
ヒャッハーッ! なんとも見事なベニテングタケ!
スーパーマリオのキノコのモデルになったり、民芸品になったり、
その八面六臂の活躍は、まさしくキング・オブ・キノコ!
のっけからテンション上がりますね!
国師ヶ岳への登山道は、大変よく整備されています。
雨上がりのお陰で、キノコがそこかしこに顔を出しています。
つい写真を撮りながら進んでいると、なかなか前に進みません。
分岐点です。どちら周りでも15分ほどで合流します。
せっかくなので、景色の素晴らしい夢の庭園を廻っていきましょう。
夢の庭園です! かなりの部分で木道や木階段が整備されていて、
とても歩きやすい登山道となっています。
素晴らしい景色にうっとり。
天気予報では曇りの予報だったので、もうけもんです。
金峰山の五丈岩も見えますね!
景色を楽しんだら、前国師岳へ向かいます。
それにしてもキノコに目を奪われてしまい、ぜんぜん進みませんよ。
こちらが合流地点。
ずいぶんと時間が経った気がしましたが、スタートからまだ30分です。
国師ヶ岳までは、ご覧のような整備具合。初心者でも安心して登れます。
それにしても、キノコ多いです。
そしてキノコがこれほど足を引っぱるとは夢にも思いませんでした。
うーん、キノコばっかり撮って、山の様子をぜんぜん撮ってませんね。
キノコは好きですが、別にキノコに詳しいわけではありません。
造形と質感に惹かれるタイプです。
あまりにも地面に気を取られすぎたので、空を見上げてみました。
そして、豊かな樹林越しに眺める景色もオツなものです。
ありがたいことに、まだまだ天気にも見放されていないようです。
ジャン! 前国師岳山頂です! ヤッホーっ!
山頂から10分ほどで、北奥千丈岳、国師ヶ岳との分岐になります。
北奥千丈岳は往復で15分程度。せっかくなので登りましょうよ。
その北奥千丈岳は奥秩父山塊の最高峰。2601mの標高を誇ります。
あ、その山頂が見えてきましたよ。
ジャン! 北奥千丈岳山頂です。ここからの眺めは本来素晴らしいのですが、
どうやら雲が上がってきてしまったようです。
そして次に目指すはあそこに見える国師ヶ岳。
山頂はまるで、岩製のお立ち台のようです。
先ほどの分岐点へ戻ってきました。ここから国師ヶ岳はすぐです。
ジャン! 国師ヶ岳山頂!
雲がかかっていて展望は望めませんが、気持ちいい!
さてさて、すっかりゴール気分ですが、ここからが本番。
コースタイムでいうと、ここまでが1時間15分。ここからが約5時間。
キノコと戯れすぎた感もありますが、魅力的なので仕方ないです。
国師ヶ岳からの道中は、シャクナゲが続きます。
シーズン中に訪れたら、どんな景色が広がっていることでしょう。
シャクナゲの道は30分ほど続きます。シャクナゲのシーズン中に、
国師ヶ岳からこのあたりまで、往復するのも素敵ですね。
うひょー! 柄の部分がまるで、
31アイスクリームのチョコレートミントみたい!
…
そして国師ヶ岳から30分ほど歩いたあたりの森にて。
どこからか、ヘーゼルナッツのような甘い香りが漂います。
さっきから感じているのは強烈な眠気。
その眠気を覚ますかのように、キノコを見つけては写真を撮る、
そんなことを繰り返しながら、なんとか先へ進みます。
同行の相方にもまったく同じ症状が。とにかくとても眠い。
植物か菌糸類が、何かよからぬガスのようなものを発生させていたのか、
あるいは単に疲れなのか、今までに経験のない不可思議な状況に陥りました。
それにしても、国師ヶ岳から甲武信ヶ岳の約5時間の道程の中で、
いわゆる名前のついた山がないので、長く感じますね。実際に長いんですが。
それにしても、今回ほどキノコを多く撮ったことはありません。
キノコに心を奪われ、登山道を撮るのを怠ってしまいましたよ。
このあたりのエリアは倒木が多いです。
そして倒木には苔が生し、幻想的な森の姿を演出しています。
ここらで、眠気覚ましも兼ねてランチといたしましょう。
でないと、私どもが倒木と化してしまいそうな気配です。
よしっ! 気を張りなおして出発です!
ヌバックのような質感がキュートな、ムラサキフウセンタケ。
どうやら食べられるらしいですよ。硬いらしいですが。
キノコ、キノコ♪
うーん、それにしてもまだ着きませんぞ、東梓に。
不思議な眠気とキノコに襲われて、歩を進めるのがずいぶんと遅れてしまいました。
やった! 着いたよ、東梓に!
時計を見ると、スタートから既に4時間45分が経過しています。
歩行時間だけなら3時間15分がコースタイム。
食事時間が35分ほどとして、55分もオーバータイム!
キノコに55分も費やしてしまいましたよ! キ、キノコ怖ぇ!
ここからはキノコ禁止令を布いて、巻きで行くことにしました。
しばらく進むと、こんな標識が。
ええっ!まだ3時間もかかるの? コ、コンチクショーッ!
と叩き割られてしまった跡なのかもしれません。
エッホ! エッホ! 進め! 進め!
両門ノ頭に到着! いまひとつ到達感のないチェックポイントです。
本来は展望がよいところだと思います。
ヒャッハーッ! さっそく禁忌破り。ベニテングタケ橙黄バージョン。
よっしゃい富士見到着!
甲武信ヶ岳まであと2時間!
よいさ! こらさ! 巻きでいきますよ!
お寿司? 地図を見ると「水師」とあります。
おやおや、だいぶガスってきてしまいました。
小屋まで持ってくれることを祈りながら進みますよ。
やった! 見覚えのある場所に出ましたよ! 前回は千曲川源流沿いを登りました。
ここからはわりと急登になります。岩も増えてきますね。
山頂付近はかなりガレてきます。石を落とさないように気をつけます。
ひゃっはー! 甲武信ヶ岳山頂です! あ、知らないおじさんですこれ。
あらためまして、ひゃっはーっ! 甲武信ヶ岳山頂です!
雨に降られる前に小屋を目指します。
どうやら予報よりも前倒しに雨になりそうです。
わーい! 甲武信小屋到着!
後半巻き返して、予測より早く着くことができました。
ビールを飲んで赤ワインを飲んで秩父錦を飲んで梅酒を飲みました。
テン場には15張りくらい。かなりまともに整備されたテン場です。
手前にはトリカブトの花が咲き乱れています。
今日の夕飯はカレー。明日もカレー、明後日もカレー。
甲武信小屋の夕飯はカレー一筋です。
創業以来継ぎ足し継ぎ足し濃縮された秘伝のルーが決めてです(うそです)。
甲武信小屋は大部屋が2つあるのですが、一つは満室。
で、私どもはあぶれて隣の大部屋貸切状態!
残り物には福があるという諺は本当だったのです。
それでは明日に備えて、おやすみなさい♪ ZZzz..
■参考タイム(※食事時間のぞく)
【一日目】7時間4分
大弛峠 →(1時間7分)→ 北奥千丈岳 →(18分)→ 国師ヶ岳 →(2時間48分)→ 東梓 →(1時間24分)→ 富士見 →(35分)→ 水師 →(37分)→ 甲武信ヶ岳 →(15分)→ 甲武信小屋