八ヶ岳南麓在住。里山好きのおじさんのブログでありんす。

【登山メモ】西沢渓谷

西沢渓谷(山梨県山梨市/1390m)
2013年7月20日(土)
ルート:西沢渓谷一周コース

年に一度ほど一緒に山に行く友人たち。
両神山、棒ノ嶺、至仏山と行きましたが、今回は趣向を変えて、
西沢渓谷を歩いてみることにしました。

登山というより、ややハイキングの趣が強いですね。

普段の山行はほとんど車でアクセスをするのですが、
ひさしぶりに、電車とバスを乗り継いでやってまいりました。

1週約10kmの道程です。西沢渓谷はなぜかキツネがあちらこちらに散見されます。

しばらくは舗装路を進みます。散策客はボチボチいますね。
紅葉の時期は大混雑するようです。

ちなみに冬季に訪れた時には誰もいない上に、
途中から通行止めになっていました。

しばらく進むとトイレがあります。ここが周遊道の合流地点となります。
原則、右に進みます(つまり反時計回り)。

この人たちは、おそらく甲武信ヶ岳へ向かうのでしょう。

甲武信ヶ岳は千曲川源流沿いに一度登りましたが、
こちらからも登ってみたいですね。
それより大弛峠から国師ヶ岳経由で稜線を歩いて登ってみたいです。

→ 後日、大弛峠から国師ヶ岳経由で登ってきましたよ!

甲武信ヶ岳 徳ちゃん新道入口です。
この徳ちゃん新道を作ったのは山中さん親子だそうですが、
そういえば両神山の白井差新道の主も山中さんですね。

おそらく、山の中に住んでいるから山中さんなのでしょう。

ずいぶん前に西沢渓谷入口に入ったはずですが、まだ入口が続いています。

やや! ここで件のキツネが現れましたぞ。キツネのくせして、

「あ~痛い 痛みも怪我も 自己責任」

と標語をぶっています。怪我はともかく、痛みまで自己責任です。
かわいい顔して末恐ろしいキツネです。

そんなキツネを尻目に、二俣つり橋を渡っていきます。

西沢渓谷の標識です。ようやく入口から逃れたようです。

山道を進んでいきます。沢沿いの道ですが、
沢は谷の下のほう、距離があります。

イグチ科のキノコでしょうか。デカくなりすぎて傘が張り裂けています。
よく漫画で、筋肉ムチムチィッ、バリバリバリバリィッ
シャツとかが破れるシーンがありますが、そんな趣ですね。

銀嶺草です。まるで妖精の住まいのような佇まいです。

ようやく沢が見えてきました。沢の水が碧いですね!

三重の滝に降りてきました。見事ですね。とにかく、蒼さが素敵です。

先へ進むとしましょう。

こちらは人面洞。

沢沿いの美しい道を進みます。紅葉の季節もよいですが、
ほどほどに空いている今の季節もまた素敵です。

こちらは竜神の滝。いちいち美しいじゃありませんか。

うひょーっ! 沢なのにオーシャンブルー!

沢沿いの道を進みます。楽しいです。

こちらは母胎渕。母胎もオーシャンブルーです。

写真を撮り損ねたカエル岩と方杖橋の間で、ランチと洒落込みましょう。
本日はおにぎりとパンのコンボでした。

つけあわせのオニオンスープと、食後のミルクティーを味わったら、出発です!

方杖橋を渡ると、登りのエリアが始まります。

ここで真打登場。西沢渓谷といえば、この七ツ釜五段の滝が一番の見所です。

見事すぎてコンデジの手に余りますね。

それにしても釜が7つで5段とはこれいかに。
海外ツアーの5泊7日みたいなものでしょうか。

七ツ釜の後ではオマケの趣もありますが、不動の滝です。
ここから先は旧森林軌道となり、沢から離れるので滝は見納めです。

西沢渓谷終点まで、あと100mです!

やや! またあの上から目線のキツネが現れましたぞ!

「元気出せ あと少しで 頂上だ」

そんなキツネに励まされて、西沢渓谷の終点にたどり着きました。

黒金山登山道入口です。
トロッコのレール跡が、まるで異世界への入口へ誘うようです。

やや! あれは鶏冠山でしょうか。ぜひ登ってみたいと思っていますいつか。

ところどころにトロッコのレール跡が残っています。

ここは「ひこいっちゃんころばし」です。

昭和8年から43年まで、「三塩軌道」(現、西沢渓谷遊歩道迂回路)を馬とトロッコを使い木材を搬出していた。
その際、「運材夫」(木材を塩山駅まで運搬する係)をしていた「彦一」さんが、操作ミスで馬と一緒に転落(方言で「ころばりこんだ」と言う)し負傷したことから「ひこいっちゃんころばし」と呼ばれている。
三富村・西沢渓谷歩道管理組合

要するに、彦一さんが転げ落ちた場所なわけですが、
死せずして、こうして現代に名を残しているわけですから、
彦一さんも今となっては、あの世で喜んでいるかもしれません。

こうしていま現在も、当時の面影を感じることができるのは、
単なる遊歩道とはまた違った楽しみがあります。

ややや! 西沢渓谷のもうひとつのころばし「いこりころばし」が現れましたぞ!

昭和8年から43年まで、「三塩軌道」(現、西沢渓谷遊歩道迂回路)を馬とトロッコを使い木材を搬出していた。
その際、「運材夫」(木材を塩山駅まで運搬する係)をしていた「猪虎狸」さんが、操作ミスで馬と一緒に転落(方言で「ころばりこんだ」と言う)し負傷したことから「いこりころばし」と呼ばれている。
三富村・西沢渓谷歩道管理組合

むぅ! 見事なコピペ仕事! 仕事は効率よく行わなければなりません。

それにしても着目すべきは、「彦一」さんは「ひこいっちゃん」
親しみを込めた愛称で呼ばれていたのに対し、
「猪虎狸(いこり)」さんは「いこり」と呼び捨てである点です。

しかも、猪(いのしし)と虎(とら)と狸(たぬき)の組み合わせとは、
いったいどんな動物なのか、あらためて調べてみたいと思います。

それにしても、三塩軌道は35年間も使われていたわけですから、
事故ったのは彦一さんと猪虎狸だけではないはずです。
しかし、名を残したのはこの2人だけ。

死にはしなかったものの、もしかすると大変な大怪我を負ったのか、
あるいは重要な人物だったのか、あらためて調べてみたいと思います。

やや! またあのキツネが現れました!

「にしざわけいこく たのしいな」

さっきまでの上から目線のキツネとは打って変わって、
まるで子どものような感想を述べています。

トロッコのレール跡は続きます。

当時のトロッコが展示されていました。

自然勾配にブレーキのみで、これをあの塩山駅まで下ろしていたそうですから、
彦一さんや猪虎狸さんに限らず、事故が起こっても不思議ではありません。

バス停まで2Kmと出ました。キツネももう、多くは語りません。

林道を下っていきます。なだらかな道が続きすぎて飽きてきました。

バス停への近道です。ほんのちょっとだけ、登山道の風情があります。

ネトリ橋を渡ります。

見覚えのあるトイレが見えてきました。周遊道の合流地点です。

「いやぁ、特に暑い季節は、沢っちゅうのもいいもんですよねぇ」

鳥さんの見守るゲートを抜ければ、そこはもう結界の外です。

キツネの見守る西沢渓谷入口に到着です!
おつかれさまでした!

そうそう、帰りにお座敷列車なる列車が山梨市駅に停まりました。
こんな列車で宴会をしながらの旅も、楽しそうですね!

■参考タイム(※食事時間のぞく)
【トータル】3時間33分
西沢渓谷入口 →(1時間56分)→ 西沢渓谷終点 →(1時間37分)→ 西沢渓谷入口