『二日前。
玄関脇に、鳥についばまれた蝉の死骸がありました。
そして今日。
玄関脇で歩いている蝉を見つけました。
その蝉は、二日前に鳥についばまれていたあの蝉でした。』
死んだふりの蝉といのは珍しくありませんが、
蘇った蝉というのは初めて見ました。
いや、つい先ほど、死んだ蝉と同じように鳥についばまれた蝉が、
偶然に同じ場所に現れただけなのかもしれません。
ほとんど身体がない状態で、木の柱を登りきった蝉。
小さな命が、その命を燃やしきる瞬間に立ち会えたことに、
心から感動しました。