三笠山(ヤツウチグラ)(群馬県上野村 1490m)
2013年10月6(日)
ルート:諏訪山登山口(浜平)~湯ノ沢の頭~三笠山 ⇔ ピストン
そうだ 西上州、行こう。
群馬県西南部、西上州エリアといえば、
登山エリアとしてはそれほど人気がありません。
比較的地味目な山が多いことや、交通の便が悪いことも
影響していると思います。
名の知れたところでは、妙義山や荒船山、あとはうーん、
やっぱり地味目の山が多いですね。
実は東京からマイカーでアクセスするには便がよいのと、
あわせて日帰り登山に最適な小ぶりな山が多いのと、
独特の岩山が多いのとで、ハマる人にはハマるエリアです。
特に岩山に端を発する景観は特筆すべきものがあり、
掛け軸や屏風絵に描かれそうな景色が、貴方の目の前に広がります。
また、裏妙義と呼ばれるエリアを筆頭に、
超岩稜帯の剣険とした山々が、岩に魅せられた漢達を待ち構えています。
あ、もちろん筆者のような素人が足を踏み入れたら、
あっという間に天に召しあげられてしまう確率が高いので、
その隆々とした岩肌を眺めて楽しむまでに留めています。
そんな西上州エリアに一時期足繁く通っていたのですが、
一度滑落を経験し、幸い大事には至らなかったものの、
しばらく足が遠のいていました。
そして喉元過ぎて熱さを忘れたので、
また久しぶりに行ってみたくなり行ってきました。
予定ではシラケ山の岩稜ルートを歩こうと思っていたのですが、
前日が雨で当日の朝も少々雨。
雨後の岩稜帯は非常に滑りやすく危ないので、
予定を変更して岩稜帯の少ない諏訪山を目指すことにしました。
諏訪山登山口駐車場。先客は1台。
以前、諏訪山の手前の三笠山(ヤツウチグラ)まで登りました。
素晴らしい景色を堪能して、地元のおじさんと話しをしたら、
諏訪山は眺望ないし、こっちのほうが全然いいよ!との話。
お昼ごはんを食べ過ぎてお腹もいっぱいになって、
別にいいか諏訪山は、と、そのまま折り返した経験があります。
つまり諏訪山山頂は未踏。
今回、気が向いたらその諏訪山まで行ってみようと思っています。
駐車場脇にはトイレがあります。外観から想像するよりも中はきれいです。
虎王神社の鳥居を向こう側からくぐり抜けます。
どうやら虎王神社の本殿は、向かいの道路をはさんで反対側にあるようです。
諏訪山登山道入口。駐車場から3分ほどです。頂上まで5,467m。
山道で往復約11Kmというと、そこそこの距離になりますね。
すこしすすむと、廃屋があります。
屋内には椎茸を栽培した残骸の木が残っていました。
沢沿いの道をすすみます。縫うようにして何度も沢を渡るので、
増水時は危ないルートでしょう。
堰堤の横を抜けていきます。まだ登山道入口から800mほどの地点。
雨上がりは岩はもちろんのこと、木の上も猛烈に滑るのでこわいんですよね。
見事な連滝を左手に見ながらすすみます。こうした沢沿いは、
マイナスイオンがたくさん出てい(るような気がし)て気持ちがいいです。
雨上がりなのでキノコがたくさん出ていました。うふ。
苔生した岩がしっとりと濡れた道をすすみます。
ブナやミズナラの美しい雑木林。
こういう雑木林のあるところは、水がおいしくなりますよね。
諏訪山まで3,033mの標識。これが出ると湯ノ沢の頭は近いです。
湯ノ沢の頭に到着! 楢原からのコースと合流します。
ここまで2時間弱かかりました。
山と高原地図のコースタイムだと1時間30分とあります。
慎重にすすんだとはいえ、思ったよりもかかりましたね。
すこしガスってきました。雨がパラついてもおかしくない気圧感です。
うひょひょー! ベニテングタケの隊列です。
近辺にたくさん生えていましたよ。キノコは雨上がりの楽しみのひとつですね。
西上州らしい岩場です。登山道ではありません念のため。
前回来た時は、この場所にフクロウがいました。
やっほーぃ! 嬉しい誤算、山の上のほうは紅葉がはじまっていました。
三笠山の山頂に近くなると、西上州らしい岩場が現れます。
岩稜帯に木の痩せ根、そしてこれが濡れていて滑るのです。
要するに西上州は、
前日から晴れ続きでないと安心して歩けないルートも多いので、
行こうとしてもなかなか天候が許してくれないことも多いのですね。
そんなこともあって足が遠のいてましたが、やっぱり面白いエリアです。
久々に歩いてみて、また、ちょくちょく訪れたくなりました。
三笠山の山頂近辺に岩場がありますが、全体の行程からするとごく一部です。
つまり、雨上がりで緊張する場面は、それほど多くありません。
もちろん、慎重に歩をすすめるに越したことはありません。
もちろん木の根の上も要注意。気を抜くと一気にもっていかれます。
三笠山 山頂直前の岩場。この上が山頂です。
三笠山山頂到着! 山頂には社があります。
晴れていれば360度の素晴らしい展望が拝めるのですが、
今日はまったく何も見えません。
ただ、まだ早いと思った紅葉が岩に映える景色を満喫できたので満足です。
三笠山山頂にある標識。諏訪山まで723m。
うーん、今日は天気も悪いし、時間も遅いし、また今度!
ということで諏訪山には行かず、ここ三笠山で折り返すことにしましたよ。
結局、諏訪山は次回にお預けです。
その三笠山山頂から北側の景色。何も見えませんが、紅葉がきれい。
来週あたりは紅葉が山下に下りてきて、全体的に見ごろではないでしょうか。
さてさて、慎重に下ります。下りのほうが危ないのは言わずもがなです。
立派な樹。岩を抱きかかえるようにして根をはっています。
しっとりとした雑木道をすすみます。すこし雲が晴れてきたようです。
なんということでしょう。
束の間の陽射しが葉を照らし、まるで緑の炎を燃やしているようです。
苔の生すエリアです。だいぶ沢が近づいてきました。
沢を渡ります。水がきれい。飲んでみたらかなり甘みの強い美味しいお水でした。
美しい景色です。自然って素晴らしいというか、素晴らしすぎますね。
おそらく鉄分などを多く含む赤い支流と、青い本流が合流しています。
同じ山でこれほど沢の水の色が違うのも面白いですね。
廃屋の横を通り過ぎれば、登山道入口はまもなくです。
登山道入口に到着です! おつかれさまでした!
虎王神社の鳥居をくぐり、駐車場へと戻ります。
駐車場到着!
結局、すれ違ったのは朝停まっていた車の単独のおじさん一人だけ。
本日の諏訪山登山者は合計3名でした。マイナーな山域は、静かでいいですね。
西上州エリアの山に登ったことのない方は、ぜひ一度訪れてみてください!
↑西上州の地図はAmazonで売っていますが書店でも売っていますよ。
■参考タイム(※食事時間のぞく)
【登り】3時間19分
諏訪山登山口 →(1時間55分)→ 湯ノ沢の頭 →(1時間24分)→ 三笠山
【下り】2時間25分
三笠山 →(1時間10分)→ 湯ノ沢の頭 →(1時間15分)→ 諏訪山登山口
【トータル】5時間44分