王岳・五湖山(山梨県 御坂山塊 1623m・1340m)
2013年9月28日(土)
ルート:魚眠荘~鍵掛峠~▲王岳~▲五湖山~女坂峠~精進湖

御坂山塊の山は結構登っているのだけれど、
王岳から三方分山方面の西のエリアは未踏だったので、
王岳をマストにコース設定をすることに決めました。

今回は単独行です。ちなみに単独行は年に数回程度しかありません。

そしてコースの候補は3つ。
いずれも西湖ほとりの漁眠荘前がスタート地点。

第一のコース。
漁眠荘から鍵掛峠経由で王岳、そのまま根場に下る三角形のコース。
コースタイム5時間20分。スタート地点に戻ります。

第二のコース
漁眠荘から
鬼ヶ岳を登り王岳経由で根場に下るコース。

コースタイム7時間5分。スタート地点に戻ります。

第三のコース
こちらはスタート地点に戻らない縦走コース。

鍵掛峠から王岳を抜け、五湖山から精進湖へ抜けるコース。
コースタイム6時間25分。
ちなみにコースタイムはすべて「山と高原地図」のものです。

余談ですが、マイカー登山の利点は、
公共の交通が通っていない場所へ気軽にアクセスできる点。

翻って弱点は、かならず車に戻らなければならないので、
ピストンか、あるいはどうにかスタート地点に戻らなけらばならない点。

ちなみにピストンとは、同じ道を往復することです念のため。

で、今回は本数は少ないながら富士五湖周辺にバスが走っているので、
縦走をしてバスで駐車場まで戻ろうと考えました。

つまり、鍵掛峠から王岳を抜け、五湖山から精進湖へ抜ける
第三のコースを選択しました。

しかしながらこのバスがなかなかやっかいで、
精進湖から西湖(根場)へ直接繋がるバスがないのです。

富士急のサイトを調べまくった結果、

精進(14:15) → 富岳風穴(14:24) を通常のバスに乗り、
富岳風穴(14:24) → 根場(14:32) までをレトロバスに乗り換えていく、
という方法を編み出しました。

ただし、富岳風穴の到着時刻とレトロバスの出発時刻が
同じ14:24
という綱渡り。
まぁ、なんとかなるでしょう、ということで出発です!

前置きが長くてすみません。嫌われますよね、前置きの長い人は。
今日は富士山がよく見えています。絶好の富士五湖周辺の山歩き日和です。

根場いやしの里の脇が登山口のはずです。いやしの里駐車場の案内板を発見。
後で気付いたのですが、徒歩の場合は近道があったのです。
間違えて車道を歩いてきてしまい、いらぬ遠周りをしてしまいました。ぷんすか。

王岳と鍵掛峠の分岐点です。三角形コースの場合、ここを右に進み、
王岳のほうから下ってきてここに合流することになります。

鍵掛峠登山道入口です。ここまで14分かかりました。左手には薬明大神。

茅葺屋根の集まる根場いやしの里を右手に見ながら先へすすみます。

先ほどの登山道入口から20分ほどで、登り口に到着しました。

毎度お馴染み、雑木の道をすすみます。

きれいなロウソクのようなものが無数に立っています。
どうやら、植樹をシカの害から守るためのもののようです。

奴ら、やわらかくて美味しい若芽だけを狙って食べますからね。

オヒョーッ! タマゴダケがたくさん生えてます。今夜はご馳走ですね!

赤々しくて、いかにも毒キノコという風情ですが、
大変美味なキノコなんですよ。

「香り松茸、味しめじ。兼ね備えたるはタマゴダケ」

の言い伝えのとおりです。

すみません、兼ね備えたるはタマゴダケ、は勝手に追記しました。
そんな言い伝えは、昔も今もありません。

さて、タマゴタケに夢中になる筆者を横目に抜いていった御仁がおりました。
少し先で休憩をしていたので話しかけました。

この方、脊柱管狭窄症で歩行すら憚られる状態に陥り、
リハビリを経て、先週、一年半ぶりに山に復帰したとのこと。
甲府在住だそうです。

筆者はゆくゆく甲府あたりに引越しをして、
さらなる山三昧生活を送ることが夢なので、甲府在住とはなんとうらやましい。

ズルイですね、と問いかけると、実はもともと九州に住んでいて、
会社の拠点が閉鎖されて、要は甲府に飛ばされたのだ、と。

いやぁ、甲府に飛ばされるなんで羨ましい、
などというボタンの掛け違い的な問いかけに、
いやいや、単身赴任で甲府に飛ばされて何もやることがなくて、
仕方なくはじめたのが山歩きだったんですよ、と。

なかなか人生、思い通りにはいかないものです。

それはともかく、
手術するしか治す術はないといわれた脊柱管狭窄症を
糖質制限ダイエットと自転車と自然治癒で見事に治し、
しかも登山ができるまでに回復するとは、すごいですね。

私は王岳をピストンするので、よかったら王岳まで一緒に行きますか、
という話になって、二人ですすむことになりました。

話は山に戻って、
またもやタマゴタケの大群です。今夜はごちそうさまですね。

少しずつ紅葉が始まっています。雑木林はいつ見ても美しいですね。

雑木の隙間からは富士山が見えます。
富士山は雪化粧した姿が本命ですが、無雪期のシルエットもまた素敵です。

トリカブトの花が咲き乱れています。先行する甲府のおじさん。

筆者も世間的にはおじさんですが、この方は明らかに年上なので、
おじさん扱いをさせていただいております。

それにしても、病み上がり(しかも脊椎)とは思えないハイペース。
かなり本気(マジ)で歩かないと置いていかれてしまいそう。

さらには、ちょっと先で立ち止まっている時に、
息も乱れていないのです。

この方、以前は登山グループ内で一番の鈍足だったとのこと。
山伏の集団ですか、そのグループは。

後日談そして余談ですが、
このおじさん、もしかすると一年半に及ぶ糖質制限によって、
自分でも気がついてないけど、スタミナ体質に変わってるんじゃないの?
と邪推をしたくなるほどの健脚ぶりでした。

ジャン! 鍵掛峠山頂に到着!

魚眠荘前の駐車場からちょっと遠回りしたのに1時間30分で到着。
コースタイムが2時間10分なんで、おじさんやっぱり早いですわ。

鍵掛峠からの富士山。いやはや、見事なものです。

さてさて、本日の本丸、王岳へ向かいます。

このあたり、背は低いですがササが出はじめています。

この稜線は富士山の北側を東西に走っているので、
樹林の隙間からは常に富士がその雄姿を惜しげもなく披露します。
冬季は葉が落ち、また富士も雪化粧をするので、冬にもぜひ歩いてみたい稜線です。

次のチェックポイント、鍵掛です。
ここからももちろん、富士山丸見えです。が、少しすすんだところに
絶好のポイントがあります。

上を見上げると、青空と緑と紅葉の赤が、美しく調和しています。

いい撮影ポイントです!
雪頭ヶ岳から見る西湖のど真ん中に富士も見事なものですが、
やや斜めからのアングルもまた趣があってよいですね。

ちなみに甲府おじさんは富士山の写真を撮るのが趣味とのこと。
富士山は山梨側からのほうが好きだと言っていました。

もちろん、ちゃんと一眼レフを持ってきていました。
ミラーレスならまだしも、一眼レフってデカいし重いじゃないですか。
あれをわざわざ登山に持ってくる人は、本当に写真好きな人ですね。

少し先へ進んだところ。まだ雲はそれほど上がってきていません。
いまのうちにと写真を撮ります。

王岳の稜線は富士山を撮影するのに好いスポットがいくつもありますが、
冬になれば、さらにポイントは増えると思います。

ジャン! 王岳山頂です! 山頂は少し開けていて、二等三角点があります。

いやいや、ありがとうございました。私は精進湖に向かいます。
お名前すら聞いてませんが、どうぞお元気で。と談笑していると、

「よかったら僕が西湖まで下ったあと、精進湖まで車で拾いにいきましょうか?」
との申し出が。

正直、予想より早く現地に着いた上、予想より早く王岳に登ってしまい、
現在時刻は10時30分。コースタイムの残りは2時間45分

単独なのでペースは早め、おそらく昼食込で2時間30分といったところ。
となると、到着予想時刻は13時。バスは14時15分までない。

となると、えっ! あの何もない精進湖の畔で1時間以上バスを待つのか!

いやぁ、願ったりかなったり、本当にいいんですか?
ありがとうございます助かります!

ということで、13時に精進湖畔の駐車場で待ち合わせをすることにしました。

王岳山頂から少しすすむと分岐があります。
ここを下ると根場に戻ることができます。筆者は五湖山を目指します。

この王岳から五湖山への稜線は、これまでの道と比べて明らかに踏まれていません。
道も荒れ気味です。やはりこのルートは人が少ないようです。

それにしてもクマザサの多いこと。ほとんどヤブ漕ぎの気分です。
そしてクモの巣の数が尋常でない。数えただけでも108つのクモの巣をこわしました。
実際はその倍の数はこわしていると思います。

筆者が万が一地獄に落ちた場合、
さすがのお釈迦様も垂らす蜘蛛の糸は持ち合わせていないでしょう。

とにかく背の高いクマザサが多く、またクマザサのエリアも長い。
もちろん展望もなく、決して面白い道ではありません。

つかの間の雑木林。

天を仰ぎます。

富士山は雲隠れ。

えーまたー と声が漏れてしまうほどのクマザサぶりです。

タマゴタケ。五湖山はキノコは少ないです。

クマザサの魔の手はここまで伸びています。

五湖山山頂です!
富士五湖の「五湖」の名を冠する山なのでどんな山かと思いきや、
山頂の風情はぜんぜんないです。ピークはもうすこし手前にありましたし。

ただ、富士山が見える(いまは雲に隠れて見えない)ポイントになっています。
ここらで昼食としましょう。

ちゃちゃっと昼食を済ませて、出発です。

クマザサの呪縛から解き放たれた五湖山から女坂峠への道は、
なかなかよい道ですね。
女坂峠から五湖山往復のルートは、軽い山歩きによいかもしれません。

雑木もきれいです。が、まだクマザサの影響が少し残っています。

ちょっとした岩場などもあり、登山道に彩りを添えています。

電柱もあります。

女坂峠に到着です! 阿難坂ともありますね。精進湖までは3Kmです。

ここからの道は思ったよりもガレています。石がゴロゴロしています。

大きな堰堤の前を抜けていきます。人工物ながら自然と調和していますね。

途中から舗装路が現れます。

小さな居村集落の中を抜けて精進湖へ向かいます。

到着! おつかれさまでした!

■参考タイム(※食事時間のぞく)
【トータル】4時間37分
魚眠荘 →(1時間30分)→ 鍵掛峠 →(1時間)→ 王岳 →(1時間17分)→ 五湖山 →(20分)→ 女坂峠 →(30分)→ 精進湖

■おまけ

精進湖の畔で待っているとほどなくして、甲府おじさんが車で現れました!
やーやー どーも どーも!

ザックをトランクに積み、無事に西湖根場の駐車場まで送り届けてもらいました。

いやぁ、本気(マジ)で助かりましたよ! ありがとうございます!
また、お会いできそうですね! と握手を交わして別れました。

そして、昨日ディスカバリーチャンネルで見たコウモリの番組が頭をよぎり、
そうだ、行ったことなかった西湖蝙蝠穴にいってみようと思い立ちました。

バーコードをかざして通過する新鋭のゲートを抜けていきます。

樹海の中に整備された、ウッドチップの敷かれた歩き心地のよい道をすすみます。

期待に胸が膨らみそうな入口に到着しました。満を持して入場です。

蝙蝠さんにはいつ会えるかな? 狭い洞窟内を頭をかがめてすすみます。

蝙蝠さんには会えませんでした。

券売機でなく窓口で券を購入したので、出てきてから気付きました。
コウモリさんには会えませんよ! とちゃんと書いてありました。
10月中旬~11月下旬の夕方だとコウモリさんに出会えるようです!