その昔、ボクは古い団地にひとりで住んでいました。
その団地はよくある5階建ての公団住宅の建物で、
階段の両側に部屋があって、
エレベーターのないつくりで、
いまでも結構多く残っていると思います。
そんな建物の5階に住んでいたわけですから、
外出するときに下まで降りて、
もしポケットに財布が入っていなかったら…
降りて登ってまた降りて、のべ15階分の階段を
昇り降りしなければならなくなってしまうのです。
息切れはするし、軽く目もまわります。
そこで、忘れ物を避ける秘儀を独自に編み出しました。
それが、忘れ物の「さ・け・か・た」です。
さ = 財布
け = 携帯
か = カギ
た = タバコ
この4点セットを持っていれば、
基本的には困らない、という超基本セットです。
この秘儀によって、
最低限の忘れ物をすることはなくなりました。
しかし時は流れ、
1日60本のタバコを吸っていたヘビースモーカーのボクも、
タバコを吸わなくなりました。
「さ・け・か」だけが残ったわけですが、
いまでも忘れ物の「さ・け・か・た」が身についていて、
基本的な忘れ物をすることはありません。
「た」は何か別のものを割り当てようと
考えてもみたのですが、
いいアイデアが浮かばなかったので、
名残として残しています。