八ヶ岳南麓在住。里山好きのおじさんのブログでありんす。

【登山メモ】両神山(百名山)

イザナギ、イザナミの二柱の神に敬礼をキメるために5回目の両神山へ。そのくせ八丁峠から登ったのは初めて。

両神山(埼玉県秩父郡 1723m)
2013年11月23(土)
ルート:上落合橋~八丁峠~西岳~東岳~両神山(剣ヶ峰)~上落合橋

今日は両神山に登ります。両神といえば、イザナギ、イザナミを思い浮かべますが、
そのとおりのようです。諸説あるようですが。

さて、両神山は5回目なので、かなり多く足を運んでいる山になります。
しかしながら過去4回の内訳は、白井差コース3回、日向大谷コース1回で、
一番面白いといわれる八丁峠コースを登っていなかったんですよ。

余談ですが、白井差コースは私有地のため入山料1,000円を払って登ります。

そしてこの白井差を管理されている山中さんになぜか気に入られ、
3回とも山中さんのガイドで登りました(笑

木々やキノコについて教わりましたが、全部忘れてしまいました。
毎回、山に登るたびに少しずつ覚える気構えでいないと、覚えませんね。

無事に下山すると、山中さんから両神山の百名山バッジをもらえるのですが、
現在は廃盤になっているものを含め全3種類をコンプリートしましたよ!

前置きが長くなってしまって恐縮ですが、
そんなこんなで、八丁峠コースから登ることにしたのです。

ちなみに八丁峠には、北側・南側と両側から登れるようになっていて、
八丁トンネル手前の北側から登る人のほうが多いようです。

今回、わけあって南側の上落合橋から登ることにしました。

上落合橋駐車場。10台ほど駐車できます。
もうちょい詰めて停めてくれれば、あと1~2台停められるのにという状況けっこうありますよね。

八丁峠コースの登山口です。登り口から、ワクワクするような雰囲気ですね。

さてさて、参りますよ! 今日は天気もいいし、絶好の登山日和です!

八丁沢沿いのきれいな道をすすみます。さっそく道には岩が顔をのぞかせていますね。

上落合橋から0.5km。しばらく植林地帯が続きます。八丁峠までは0.9Km。

この植林の感じ、奥武蔵にありがちな雰囲気に似ていますね。

山登りを始めた頃、炎天下の真夏も凍えるような真冬も毎週のように奥武蔵に行って、
一年強の期間に、たぶん都合50回くらい行きました。

植林比率が高いエリアなので、雑木林に見られるような四季折々の変化に乏しく、
また、ほぼ全エリアを歩き尽くしてしまったので、しばらく行っていません。

そんな奥武蔵でもおすすめのコースをご紹介。

奥武蔵の主峰、武甲山の登山口である一の鳥居のもうちょい先までタクシーで行き、
そこから妻坂峠に登ります。妻坂峠からは武川岳を目指し、焼山を抜け二子山へ。
二子山からあしがくぼへ下るルートです。

武甲山の雄姿を間近で眺めながら、奥武蔵では貴重な長い雑木のコースを楽しめます。

帰りはあしがくぼから電車で帰れますよ。

そうそう、あしがくぼといえば、昔は駅前にスケートリンクがあったんです。
1998年まで営業していたようなので、滑ったことのある方もいるでしょう。

話は両神山に戻ります。

植林は冬でも暗いし、夏でも暗いし、ようするに暗いんですよね。
愛の反対は無関心ですが、雑木の反対は植林になります。

登山口から約1Kmほどで、植林を抜けて雑木林に入ります。

すっかり葉が落ちた雑木林。こんな雑木林も好きです。
よく見ると、来年の芽吹きに備えて蕾を蓄えている木もあったり。

ジャン! 八丁峠到着です! 八丁トンネルからの登山道もここ八丁峠で合流します。

展望台とあるので、立ち寄りましょう。

これは珍しい。前方が木に覆われている展望台です。葉が繁っていたら何も見えません。
もしかして場所間違えてるかしら?

この八丁尾根を剣ヶ峰(両神山山頂)まで歩くと、鎖場が33箇所もあるそうです。
滑落事故も埼玉県では一番多いそうで。
埼玉単独で唯一の百名山で、登山者も多いので相対的に事故も多いのでしょう。

ここからは(もちろんここまでも)気を引き締めてすすみますよ!

何かしらの鉄塔の跡です。廃墟にはそれほど惹かれませんが、
こういった単独の小さめの建造物が自然の中で朽ちている姿はちょっと惹かれます。

たとえば、タイヤもないような廃車の車窓から木々が芽吹いたりしているのと見ると、
軽く萌えると同時に、なるほど、これが萌えるという感情なのか、と再認識するのです。

早速、岩場が出てきました。岩場って面白いですよね。

両神山の北西には西上州エリアが広がりますが、
この西上州はまさに岩場のパラダイス。岩場好きにはたまりません。

ただ、いわゆる裏妙義といわれるエリアは、大変に険しい岩場で、
素人が行くと割合早く、天からのお迎えがきてしまうので、行けません。

きましたさっそく鎖場です!
鎖に頼りきるのはいけません。あくまで補助として使います。

たまに八ヶ岳の赤岳とかで、他の人もつかまっている鎖なのに、
全体重を鎖にかけて登っているバカ人がいますが、
本当に他人にも危険が及ぶので、そもそも山に登らないでください。

岩場を登ると目のが開けました。今日は洗濯日和であるとともに、間違いなく登山日和です!

鎖場が続きます。ここは、鎖場トレーニングにももってこいですね。

急な下り道もあります。木の根は縦に乗るとツルっと滑るので慎重に。

やっぱり岩場は楽しいな。

岩を登るたびに、景色が広がります。浅間山も随分と雪が溶けていますね。

くさりば くさりば うれしいな♪(おべんとうの歌のメロディにのせて)

行蔵峠です! 今日は北アルプスまで見えちゃってますよ。

行蔵峠から西岳までの短い区間にも、もちろん鎖場があります。

西岳山頂! 表参道の日向大谷ルートに比べて圧倒的に人が少ないので、山頂も静かです。

今日は景色も最高!ヤッホー!そしてグーグルー!と叫びたい衝動を一所懸命抑えました。

鎖場といっても、鎖を使わずにクリアできる箇所も多いです。

慎重に、3点確保をしながら下ってゆきます。

岩場は登りよりも下りのほうが危ないです。先が見えないこともありますし。

ここは大きな一枚岩のような斜面。鎖場は一人ずつ降ります。

束の間のなだらなか登山道。ホッと一息いれながら歩きます。

上を見上げると、岩場の先に明るい稜線が広がっていそうな雰囲気です。

ちょっと開けたスペースがあり、そこに社がありました。地図上には神社のマークがあります。

すると、この裏からひょっこりと若い男子2人組が現れました。
あれ?こんなとこにルートあったっけ?

話しかけると、油滝から廃道を辿り、ヤブを漕ぎながらやってきたとのこと。

一人は道なき道を進む登山には慣れているようで、うーん、こういう人と一緒に、
道なき道を進むのも面白そうだなぁと感じた次第です。

鋸の刃のようなヤセ尾根を、バランスをとりながらすすみます。

 噂にたがわぬ鎖場の多さですね。楽しいです。

両神山の岩場は鎖も丁寧に張ってあり、歩きやすいです。
西上州は、けっこう怖い場所に鎖がなかったりします。

ただ噂によると、ここ数年で鎖が増設されて、
妙義などは以前よりも登りやすくなっているようです。
いままで手を出さなかった破線ルートもチャレンジしてみたいですね。

こうしてみると、写真がほとんど鎖場になっちゃうのがアレですね(笑

鎖の末端に「10.5m」の文字が。おそらく鎖の長さでしょう。

なかなか斜度のきつい鎖場もあります。鎖の有り難味を感じますね。

鎖場を登る筆者。落ちたらきっと、痛いんでしょうなぁ。

岩場を登ると景色が広がります。あの尖った三角錐の山は、奥武蔵の主峰、武甲山ですね!

東岳山頂です!
それにしても、この山頂標識の上に、フリースか上着とかをガッツリかけてた
ババァ女性がいましたが、どういう神経してるんでしょうか。

普通、山頂の標識といっしょに写真撮ったりするでしょうに。
気の弱い人とかだったら、どかしてくださいとか言えないでしょうに。

しかしながら、ベンチがあいていたので、ここでお昼ご飯にすることにしましたよ。

あ、そういえば予備のガス買っておかないと来週の分がないや。

両神山頂まではあと1.0Km。のんびりとご飯をたべたら、山頂を目指します!

東岳から剣ヶ峰は、それほど鎖場はありません。

もちろん、少しはありますよ。

剣ヶ峰手前の小さなピーク。ここからの眺めもまた格別ですね。

そんなピークの上で、元気玉を発射する筆者。
きっと、山頂は混んでるんでしょうなぁ。狭い山頂だし。

ジャン! 両神山山頂(剣ヶ峰)到着! 紅葉の時期に比べると空いてますけど、でも混んでます!

イザナギ、イザナミに、敬礼っ!

さて、敬礼もキメたので、下山したいと思うのですが、
ヤマレコでも記録を上げている人がいる「作業道」というルートがあります。

昔は下山道として使われていたようですが、現在は立入禁止になっているようです。
道として使えないわけではなさそうで、これが上落合橋へ直接下りられるとのこと。

一度、ここを通ってみたいと思っていたので、八丁トンネル側からではなく、
あえて上落合橋からのルートを選択したのです。

なぜなら八丁トンネルから登った場合、上落合橋から車道を歩かなければなりません。

案内はありませんが、こちらは白井差ルートへの入口。ロープをくぐります。
ここから三度登っているので、勝手知ったる雰囲気です。

少し進むと、作業との分岐点。前回の白井差からの登山時は、まさにここでお弁当を食べました。

それにしても、めちゃめちゃ立入禁止の雰囲気が出ています。
根が真面目な筆者はひるみましたが、一度だけ通ってみたいので、ゴメンナサイ許してください。
善良な市民は真似をしてはいけません。

道は荒れていますが、それでも通る人がいるのでしょう。目印はきちんとついています。

あたりを静寂が支配しています。ピリッと引き締まった空気。神気を感じるエリアです。

昔張られたであろうロープが残っています。いつ切れてもおかしくないので使いません。

岩肌をなめるように水が流れています。取水できるほどの水量があります。

作業道は植林がなく、雑木林が続きます。

幹の真ん中が切られた木。不思議な感じです。

大きな朴葉(ほおば)の落葉もたくさん落ちていました。

道路が見えてきました。やはり、直接下るルートは早いです。

落合橋到着!おつかれさまでした!

今回の作業道ですが、数箇所崩落がありました。
冬場、道が凍るようになると危険な場所も増えると思います。
通っておいて言うのもアレですが、基本的には通らないようにしましょう。
筆者も、二度と通りませんゴメンナサイとの誓いを立てました。

■参考タイム(※食事休憩のぞく)
【トータル】4時間30分
上落合橋(駐車場) →(49分)→ 八丁峠 →(49分)→ 西岳 →(49分)→東岳 →(33分)→ 両神山山頂(剣ヶ峰) →(1時間30分)→ 上落合橋(駐車場)

■オマケ

翌日、西上州エリアを歩きたいと思い、宿をとっていました。
「冬桜の宿 神泉」というところなのですが、この宿近くの公園「城峰公園」では、
夜になると冬桜をライトアップしています。

桜と紅葉を同時に見られるとはなんという贅沢でしょう。
もともと、冬桜は全然目当てではなかったので、嬉しいギフトをもらった気分です。